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028 予想される未来から逆算する(マーリンメソッド)

● よりよい判断を下すための8つのテクニック

 『選ばれるプロフェッショナル』(1)は、顧客に何らかのアドバイスを提供するすべての職業人にとって有益な本です。もしあなたが顧客対面業務のないマネジャーだったとしても、あなたがサービスを提供している社内の相手や、あるいは部下を顧客に見立てれば、得られるものは多いでしょう。

 この本では優れたアドバイザーが持つ資質を7つ挙げていて、そのひとつが「判断力」です。著者らは、よりよい判断を下すためのテクニックをこのようにまとめていました。

  • 問題の理解に時間を惜しまない
  • 本当の問題が何かを見つける
  • その問題を本当に優先すべきかを確認する
  • 「反証的」な質問をする
  • 一般的な選択肢だけでなく異色の選択肢も考える
  • 予想される未来から逆算する
  • リスクや不透明性に対してクライアントの許容度を理解する
  • 自身の経験を活かす能力を高める(経験豊富な同僚から学ぶ)

よりよい判断を下すための8つのテクニック - *ListFreak

 ここでピックアップしたいのは「予想される未来から逆算する」という項目です。この部分についての解説を同書から引用します(1)

 予想される未来から逆算する……将来に関する状態について、次の二つの質問を比べてみよう。

○我々の一番の競合が、この先二年のうちに我々の市場シェアを一〇ポイント奪い、売上で我々を抜く可能性はどれくらいあるだろうか。そうなるとしたら、どのような理由が考えられるか。

 次は同じ質問を多少変えたものだ。

○今から二年後を想定しよう。我々の一番の競合が市場シェアを一〇ポイント増やし、我々の売上を抜いている。どうしてそうなったのか、その経緯と理由を説明せよ。

 二つ目の質問のように、仮説に基づいた事象を実際に起こったかのように提示されると、どうしてそうなったかについて、人はかなり独創的な理由を考えつく。そして思考の質は驚くほど高まる。

 情報の具体性はまったく同じなのに、読み比べてみると、頭の働き方が違うことが実感できます。問う視点の置き方の重要性をはっきりと示す、よい例です。

●マーリンメソッド

 将来から振り返ってみる発想は、目新しいものではありません。天気予報のように現状の延長線上に未来を描く"forcast"と対比させる意味で"backcast"と呼ばれることもあります。拙著『クリエイティブ・チョイス』(2)では、「マーリンメソッド」という名前で紹介しました。この方法では、まず目標を達成できた将来を思い描き、そこにいたる道のりを振り返ります。次の問いかけは『会社を変える 不合理のマネジメント』(3)から引用したものです。

  • この戦略を実施するにあたり、どのような能力が必要だったか?
  • あなたの会社はそのような能力をどこで身につけたか?
  • 目標を達成した今、自分の会社をどう思うか?
  • 目標を達成した今、自分の置かれた市場をどう見るか?
  • この目標達成は何への出発点となるか?
  • ほんとうに目標を達成したかどうか、どうやって判断できるか?

マーリンメソッド(未来から問いかける計画法) - *ListFreak

 自分でもこのような方法論を紹介しておきながら、『選ばれるプロフェッショナル』の例題にはハッとさせられるものがありました。問いかけが対比されていたことで、発想の違いがよく実感できたということでしょう。



(1) ジャグディシュ・N・シース (著), アンドリュー・ソーベル (著), 羽物 俊樹 (翻訳) 『選ばれるプロフェッショナル ― クライアントが本当に求めていること』(英治出版, 2009年)
(2) 堀内 浩二 (著) 『必ず最善の答えが見つかる クリエイティブ・チョイス』(日本実業出版社, 2009年)

(3) ポール・レンバーグ (著), 山崎 康司 (翻訳) 『会社を変える 不合理のマネジメント―1.5流から超一流への発想転換』(ダイヤモンド社, 2008年)

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